以前は居酒屋で働いていたのですが、日新設備の社員の方とのご縁で声をかけていただき、面接を経て入社しました。当時は会社概要もほとんど知らず、漠然と現場監督になりたいという気持ちと、「県内中心の仕事で地元に貢献したい」という思いだけでした。専門知識ゼロからのスタートで、20代半ばだったこともあり、文字通り「促成栽培」のように現場で叩き込まれました。同僚はもちろん、お客様や職人さんにも直接教えてもらいながら仕事を覚えたので、教育面では本当に恵まれていたと感じています。
入社して3年ほど経つと、当社が創業100年の歴史を持つこともあり、エンドユーザー様からの信頼も厚く直接依頼を受ける仕事が多いことに、大きなやりがいを感じるようになりました。
当社の現場監督は、営業提案から資金融資、現場管理、アフターメンテナンスまで「1から100まで」一貫して関わるのが特徴です。この多岐にわたる業務の中で、私のコミュニケーション能力が最大限に活かせると感じ、自分に合っていると実感しています。普段会えない社員との交流を深める会社行事も多く、社内コミュニケーションが活発な点も、職場の良い特徴だと感じますね。
私は中途採用なので2週間ほどの座学研修後、すぐに現場配属になりましたが、新卒の場合は数ヶ月の座学と現場見学で徐々に慣れていく仕組みです。個人的な意見としては、専門職は紙ベースで説明されても現場でのイメージが難しく、座学よりも早めに現場で実践を通して経験を積む方が習得が早いと感じています。
私自身、入社当時は今とは時代も違うので「一度で理解できるよう努力しなさい」と厳しく育てられた経験があるので、後輩を指導する際は「分からないことが分からない状況が当たり前」という前提で、一つ一つ丁寧に教えることを心がけています。失敗から学ぶことも大切ですが、メンタルを保てずに辞めてしまう若い社員もいるので、「今教えていることをやらないと、こういう失敗につながるよ」と、失敗する前に必ずイメージさせて教えるようにしています。また、時代が違うので、若い社員たちの個性を尊重し、「褒めたほうが伸びる」「こういう接し方のほうが働きやすい」といったバックボーンを察して接することが、今の時代には特に重要だと考えています。
入社当初は上の世代の上司に厳しく言われることが多く、苦労しましたね。建築業に限らず専門職は学校では学びきれない知識が多く、難しさを痛感しました。日々苦労しているのは、多岐にわたる業務のスケジュール管理です。工場のお客様からの大小様々な依頼に対し、見積もり作成や打ち合わせ、完了報告書や定期メンテナンス報告書など、事務処理が山積しています。現場がない日も書類作成や電話対応などがあり、現場がある日は複数の現場を掛け持ちすることも多く、職人さんの時間をずらして回るなど、緻密なスケジュール管理が求められます。
特に部品発注のミスは工事の停止に直結するため、常に細心の注意が必要です。これらの苦労は、ゼロから100まで一貫して担当するという日新設備の特徴によるものですね。乗り越えるためには、周囲の協力とコミュニケーションが不可欠です。様々な部署や協力会社の方々との関係性を良好に保ち、困った時に助けてもらえるような信頼関係を築くことが最も重要だと感じています。知識だけでなく、人としての信頼や「あなたに頼みたい」と言われるような人間的魅力が非常に大切だと実感しています。
やりがいを感じる瞬間は、シンプルに「感謝された時」と「褒められた時」ですね。現場の仕事は私一人で成り立っているわけではなく、たくさんの人たちの協力と理解があって初めて完成するものだと強く感じています。だからこそ、協力してくれた人たちには感謝を伝えなければなりませんし、逆に感謝されるように励む仕事でもあると思っています。そう意識して仕事をしていると、自然とお客様や一緒に働いている職人さんから感謝されることにつながります。その瞬間が一番やりがいを感じます。私一人でできることには限りがあり、多くの人の協力があってこそだと痛感しています。
今後のキャリアとしては、私自身の経験や知識を「次の世代」に繋いでいきたいと考えています。自分だけが頑張っても意味がないと思っているので、会社のためというよりは、若い社員たちの成長が一番大切だと考えて仕事に取り組んでいきたいと思っています。専門知識を深めることももちろんですが、それ以上に人としての繋がりや魅力を高め、「あなたに頼みたい」と言われるような存在になることが、自身のキャリアとして描いているビジョンです。
